当教室は1922年に設置されました。この時、獣医病理学は基礎医学にも貢献する学問領域であるとの観点から、“比較病理学”という教室名が付けられ、その趣旨は今日でも生かされています。

当教室における研究業務は二つに大別されます。一つは自然発生疾患の病理学的診断です。伴侶動物や家畜、家禽、動物園動物の病気を病理診断し、臨床へフィードバックすることによって、治療や予防に寄与します。他の一つは動物の病気の実験的研究であり、各種疾病における病態形成機序の解明に主眼を置いています。この両者によって病気を広く深く学ぶことができるのが、当教室の特徴です。顕微鏡を用いた形態学的手法による病態の解析に基盤をおきながら、分子生物学・細胞生物学的な研究手法を積極的に取り入れ、病気のメカニズムを詳細に解明し、診断、予防、治療に貢献することを目標にしています。現在の主な研究対象は、ヘルペスウイルス、フラビウイルス、プリオンなどによる感染症ならびに動物の腫瘍です。

 

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