共同獣医学課程を開設して間もなく、我々が実施する獣医学教育が欧米と同等の水準にあることを国際的な獣医学教育の評価機関に評価してもらうための活動を開始しました。アメリカ獣医師会(AVMA, American Veterinary Medical Association)、欧州獣医学教育機関協会(EAEVE: European Association of Establishments for Veterinary Education)など、幾つかの国際的な獣医学教育評価システムがありますが、我々は、加盟校の多様性と獣医師の職域の類似性から欧州の評価機関であるEAEVEの認証評価を受けることを決め、長年努力してきました。2019年12月に、共同獣医学課程が実施する獣医学教育プログラムが、の完全認証を取得しました。同時に、山口大学-鹿児島大学共同獣医学部も完全認証を取得しました。この認証は、実施する獣医学教育が欧米水準の国際通用性を有することを国際的評価機関に認められたことを意味します。我が国が長らくかかえていた問題である、「日本の獣医学教育体制は規模が小さく欧米と同等の水準に達していない可能性」、を克服する第一歩となりました。日本はもとより、アジア地域で初めてEAEVEの認証取得となりました。我々はこの間、特に臨床教育の充実に取り組むとともに、学生および外部有識者が参加する教育の質保証を導入し、自律的に継続的な教育改善が実施できる教育体制を整えました。EAEVEの認証校を卒業したからといって、すぐに欧米で獣医師として働ける訳ではありません。しかし、EAEVEの認証取得とその継続により、間違いなく、これまでよりも充実した獣医学教育・獣医師養成教育を学生に提供できると自負しています。

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