獣医学院の入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)

教育目標

 獣医学院の教育理念は、幅広い教養、高い倫理観と豊かな感性をもち、動物医科学と獣医療の学修・研究を通して専門的・先進的な知識・技術を身に付け、創造力と国際感覚に優れた、動物・人・環境の健康・健全を担う科学研究者/獣医療人の育成である。獣医学院の教育目的は、この理念に基づき、1)動物医療、ライフサイエンス、環境保全など多様な職域で世界の獣医学、獣医療、生命科学の発展を担う人材、2)農畜産業、医薬・食品産業をはじめとする各種産業、環境・生態系保全や地域獣医療を牽引できる人材、3)次世代の獣医学・動物医科学の研究・教育をリードできる人材を育て、国内外社会に供給することにある。

 

求める学生像

・入学者に求める資質

  1. 知識・技能・理解:専攻する獣医学関連分野に関して十分な基礎学力および技術を有している者
  2. 思考力・判断力・表現力:研究および学術活動に必要な英語力とコミュニケーション能力を備えている者
  3. 関心・意欲:研究課題に積極的に取り組む意欲と探究心を持ち、研究倫理や獣医学倫理に関して深い関心を有している者
  4. 主体性・協働性:幅広い視野に立ち創造性豊かな研究や学術活動を展開する実行力に満ちた者

 

・入学前に修得しておくことを期待する内容

  1. 大学院において専門的な学術研究・活動に従事していくために、獣医学関連分野に関する基礎的な知識を修得していること。

 

アドミッション・ポリシー

 動物・人・環境の健康・健全は、21世紀における世界共通の重要課題である。獣医学院では、上記の教育理念と教育目的に照らし、獣医療、動物医科学、生命科学が関わる国内外の多様な分野で活躍し、指導力を発揮し得る能力の獲得を学修目標とする。獣医学院では、この目標を達成するために必要な以下の資質をもつ学生・社会人を国内外から広く求める。

 

  • 獣医学の専門分野を学ぶために充分な基礎学力、科学者・獣医療人としての高い道徳観・倫理観を備えていること
  • 科学研究を実践する強い動機・好奇心と高い意識をもち、課題の解明/解決に挑む意欲と情熱を有すること
  • 広い視野で獣医学に関連する事象を捉え、動物・ヒト・環境の健康と健全を通して国内外社会に尽くす意識と展望を有すること
  • 研究と学習を進める上で重要なコミュニケーション能力、協調性、積極性を有すること

 

入学者選抜の基本方針

(1)一般入試・社会人入試

筆記試験で「知識・技能・理解」「思考力・判断力・表現力」を、口頭試問で「知識・技能・ 理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」「主体性・協働性」を評価し、出願書類では 「知識・技能・理解」「関心・意欲」を中心に総合的に評価する。

(2)自学部外(日本人)特別選抜

出願書類で「知識・技能・理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」を、口頭試問で「知識・技能・ 理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」「主体性・協働性」を評価して総合的に評価する。

(3)外国人留学生入試

出願書類で「知識・技能・理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」を、口頭試問で「知識・技能・ 理解」「思考力・判断力・表現力」「関心・意欲」「主体性・協働性」を評価して総合的に評価する。

 

入学者選抜試験の検査方法と評価要素

    知識・技能・理解 思考力・判断力・表現力 関心・意欲 主体性・協働性 
一般入試・社会人入試 出願書類    
筆記試験    
口頭試問
自学部外(日本人)特別選抜 出願書類(エッセイ・研究計画を含む)  
口頭試問
外国人留学生入試 出願書類(エッセイ・研究計画を含む)  
口頭試問

 

 

獣医学院の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

 大学院獣医学院は、本学の4つの基礎理念(フロンティア精神、国際性の涵養、全人教育、実学の重視)の下、動物医科学と獣医療の学修・研究を通して専門的・先進的な知識・技術を身に付け、創造力と国際感覚に優れた動物・人・環境の健康・健全を担う科学研究者/獣医療人を育成することを教育理念とし、これに基づいて、動物医療、ライフサイエンス、環境保全等の領域で世界の獣医学・獣医療と生命科学の発展を担う人材、農畜産業、医薬・食品産業、環境・生態系保全や地域獣医療を牽引できる人材、ならびに次世代の獣医学・動物医科学の研究・教育をリードできる人材の育成を教育目標としています。さらに、臨床科学分野を牽引する人材を育成するために、附属動物病院での高度獣医療の実践と研究を融合させた臨床重点トラックを設定します。
 大学院獣医学院では、この目標とする人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)を博士課程獣医学専攻において定め、当該能力を身につけ、かつ所定の単位を修得し、学位論文の審査及び試験に合格した者に博士の学位を授与します。


獣医学専攻の学位授与水準

 獣医学専攻では、獣医学院の教育目標に基づき、動物およびヒトの健康、および生態系の健全性維持のために、獣医科学を修めた専門家として、One Healthの実現のために国際舞台でリーダーシップを発揮できる、俯瞰性、実践力、総合的な判断力を持った専門家(となる人材)の育成を目標としており、次の能力を持つと認められる者に対し、博士の学位を授与します。

 

  • 獣医科学および関連領域における学術基盤と幅広い視野を有している。
  • 獣医科学および関連領域における高度な専門的知識、技術を有し、それらを研究等に実践応用できる。
  • 問題の全体像を俯瞰できる能力および困難な問題の解決を可能とする洞察力と柔軟な発想力を有している。
  • One Healthの実現のために国際舞台でリーダーシップを発揮できる。

 

獣医学院の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 大学院獣医学院は、学位授与方針に掲げる人材を養成するため、獣医学専攻の教育課程を編成・実施します。

 

獣医学専攻の教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

 獣医学専攻では、学位授与水準に定めた能力を持つ人材の育成を目標として、次の特色ある取り組みによりカリキュラムを編成し、実施します。

 

【獣医科学の幅広い学術基盤の修得】

  • 獣医科学および関連領域における学際的な視野と学術基盤を修得するため、「獣医科学基礎科目」を開講します。
  • 獣医科学の専門領域のみならず、総合的・学際的な知識を身につけられるよう、本学で開講している「大学院共通科目」を修了単位として認定します。
  • 国際舞台で活躍する研究者としての倫理観や研究規範の醸成を目的として、「研究倫理演習」を開講します。

 

【英語能力の向上】

  • 国際舞台で活躍するための英語力を修得するため、少人数制クラスでの英会話および英語によるプレゼンテーション能力を高めることを目的とした「アカデミックイングリッシュ」を開講します。
  • 講義はすべて英語で開講し、さらに海外からの第一線の研究者を招聘して、英語でのセミナーも開催して英語能力の向上を図ります。

 

【獣医科学における高度な専門性の修得】

  • 獣医科学および関連領域の学術基盤を形成する「獣医科学基礎科目」及び、獣医科学に関する高度な専門知識および技術を修得することを目的とした「先端獣医科学科目」を開講します。
  • ケミカルハザード対策の専門家養成を目的としたコースを設置します。専門家として必要な知識と技術の修得を目的として「ケミカルハザード対策専門特論」を開講します。
  • 臨床獣医科学分野の専門家として地域獣医療のリーダーとなる人材を養成するため、附属動物病院での獣医療の実践を通して総合的・全動物的な診療ができる臨床能力を養う臨床重点トラックを設置して「総合専門臨床特論」を開講します。

 

【国際舞台で活躍できる実践力の養成】

  • 専門性を必要とする国内外の現場での演習や国際的機関も視野に入れたキャリアパス支援を目的として、「インターンシップ」を実施して、国際舞台での実践力を養成します。

 

【博士論文作成のためのきめ細かい指導体制による総合的研究能力の養成】

  • 自立した研究者に必要となる問題発見・問題解決力と論文作成能力を修得するため、「獣医科学特別研究」を開講し、博士論文研究を支援します。
  • リサーチアドバイザー制度による所属研究室の枠を超えたきめ細かい指導体制により、博士論文研究の推進を支援します。
  • 年度末研究報告会を公開で実施します。より広くアドバイスを受ける機会となるとともに、英語による発表・質疑応答を通じて、国際舞台で活躍できる能力の育成を図ります。
  • 資格審査を3回実施して、学位の質保証を行います。第1回審査では、研究の妥当性や新規性等の評価・助言を行い、第2回審査では、研究の進捗状況を審査するとともに、学位取得に向けての指導・助言を行います。第3回審査は、「学位論文提出資格審査」として実施します。

 

【博士人材としての総合力の養成】

  • 大学院学生が主体的に企画運営する研究討論会、講演会、国際学術集会等の開催を通じて、コミュニケーション能力、企画運営能力を養います。
  • TA・RA・TF業務等を通じて、将来、優れた教育者・研究者になるためのトレーニングの場を提供します。

 

学習成果の評価の方針

I. 成績評価の基準

  1. 成績評価にあたっては、本学院の学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)に掲げる本専攻の「養成する人材像に求められる具体的な能力(学位授与水準)」を踏まえ、授業科目ごとに「到達目標」を設定し、履修者の学修成果の達成度に応じて行うこととする。
  2. 本専攻における授業科目では成績分布の目安は示さない。
  3. 授業を実習で行う科目に限り、「合・否」で成績評価を行うことができることとする。
  4. 授業科目ごとに適切な「到達目標」が設定されていることと、それに基づく成績評価の結果を、定期的に教務委員会で検証し、必要に応じて担当教員に「到達目標」の再検討を依頼する。

 

II. 成績評価の方法

  1. 成績評価は、試験結果、レポート評価、成果発表(プレゼンテーション)、学修態度等により行う。
  2. 授業への出欠状況を単に点数化し評価に用いることはできない。
  3. 具体的な評価方法は、授業担当教員が定める。

 

アセスメント・ポリシーとアセスメント・チェックリスト

 大学院獣医学院では、平成30年12月に学生の学修成果の評価(アセスメント)について、その目的、達成すべき質的水準及び具体的実施方法などを定めたアセスメント・ポリシーを制定しました。


 

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