ネコは十二指腸、胆管・肝臓および膵臓を巻き込む三臓器炎を発症します。その病理発生機作は未だ不明であり、特異的な治療法はありません。本症における解剖学的構造の中心は胆管系と膵管系の交錯部ですが、ネコでは大十二指腸乳頭に開口する総胆管と主膵管の合流形態、副膵管やその開口部である小十二指腸乳頭の出現等は個体で異なります。
本研究では、健常ネコの胆膵管合流部およびその周囲構造を形態学的に精査し、三臓器炎との関連を考察することを目的としています。