頭部免疫システムに関する研究

眼、鼻、口は、2つの免疫関連組織を配備して微生物や花粉など外来抗原の侵入に備えています。1つ目は涙腺、鼻腺、唾液腺などの外分泌腺であり、これらは涙液、鼻汁、唾液を産生して頭部の粘膜を保護しています。これら体液はIgAなどの免疫学的防御物質を含み、粘膜免疫にも寄与しています。2つ目は粘膜上皮下に発達する粘膜関連リンパ組織(MALT)です。眼関連リンパ組織(EALT)、鼻咽頭関連リンパ組織(NALT)、扁桃は結膜・涙道、鼻腔、咽頭に位置するMALTであり、管腔側から取り込んだ抗原情報を基にIgAを産生します。外分泌腺はMALT直上の上皮を体液で保護する一方、MALTは外分泌腺にもIgA産生を誘導するように働きかけるため、両者は相互に機能して局所免疫を担う「頭部免疫システム」と考えられます。

当研究室では、動物の頭部免疫システムを担う解剖学的構造を明らかにするとともに、その病態変化に関する研究を進めています。

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