妊娠期の母胎間細胞移行は自己免疫疾患の病因となりうるか?

一部の胎子細胞は妊娠中に母体に移行し、長期間母体内に存在し続けます。この現象は「マイクロキメリズム」と呼ばれます。本研究では、妊娠時に移行した胎子細胞が母体の自己免疫反応を惹起するという仮説を基に解析を行っています。

その第一歩として、健常マウス(C57BL/6)を用いて胎子母体間細胞移行を形態学的および分子生物学的に証明することを試みました。これまでに、胎子由来の遺伝子および蛋白が母体マウスの脾臓や肺など様々な臓器で検出されることを確認しました。

妊娠母マウスの全身臓器における胎子由来遺伝子の検索

表. 妊娠母マウスの全身臓器における胎子由来遺伝子の検索

No.:個体番号。値:4回のnested PCRを実施し、遺伝子が検出された回数。
+:一回でも検出される。-:全く検出されない。

現在は、自己免疫疾患モデルマウスを用いて解析を進めています。乞うご期待。

参考文献

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