感染症の克服と未知なるものの探究

次々と出現する感染症の対策に取り組むことは獣医衛生学の使命です。感染症を克服するには、病原体を知り、病原体の増殖機構、存続様式や伝播様式を明らかにするとともに、動物における感染防御機構や発病機構を理解する必要があります。さらに、これらの情報をもとに、予防・治療法の開発など多角的なアプローチが必要です。当研究室では、致死性難治性の神経変性疾患であり、人獣共通感染症であるプリオン病について、病原体の増殖機構および神経変性機構の解明を目指して、細胞生物学、分子遺伝学、微生物学、病理学など幅広い技術と知識を駆使して研究しています。また、難治性神経変性疾患の治療に、幹細胞を用いる再生医療を応用する研究も進めています。さらに、研究や対策が進んでいない各種動物の増殖性腸炎の発生状況の調査、伝播様式の解析、診断法の確立に取り組んでいます。研究室の基本姿勢は、未知なるものの探究、人材の育成、および研究成果の還元、です。問題の本質を見据え、知的好奇心を原動力とする基礎研究と、感染症克服に不可欠な応用研究の必要性とバランスを考慮しながら、人材育成と社会貢献を念頭に、大学でしかできない研究を展開しています。

 

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