国際通用性を保証するための獣医学教育機能強化

 世界各地で国境に関係なく続発する人獣共通感染症、一度侵入すると大きな社会経済的損失が生じる越境性動物感染症の発生・蔓延防止には獣医師の専門性が必要とされています。また、地球規模での生態系の保全、健全な生活環境の維持、および畜産物の輸出入に伴うバイオセキュリティー対策と食品の安全性確保も、獣医師の専門性が必要な領域です。さらに、世界的に伴侶動物の生命観が変化して高度獣医療の実践が求められるなど、獣医師の専門性は多様な領域で必要とされており、特に、国際的な枠組の中、グローバルに活躍できる獣医師(国際獣医師人材)の育成には、国際通用性のある獣医学教育による獣医師の養成に加えて、国際感覚に優れた人材の育成を目的とした教育の国際化が必要です。

 

 北海道大学獣医学部と帯広畜産大学は、互いの強み・特徴を活かした共同獣医学課程を平成24年度に開設し、欧州獣医学教育確立協会(EAEVE) による認証取得による獣医学教育の国際的な質保証を目指して、国立大学改革強化推進補助金「国立獣医系4大学群による欧米水準の獣医学教育実施に向けた連携体制の構築(平成24〜29年度)」の支援を受け、欧米獣医系大学に匹敵する質の獣医学教育を目指して教育体制の構築を進めてきました。本事業ではこの実績をもとに、(I)共同獣医学課程の教育機能のさらなる強化、および、(II)4大陸の海外獣医系大学と連携した教育の国際化を進め、グローバルな課題解決に貢献できる獣医師人材を輩出することを目的としています。

 

 本事業では、共同獣医学課程の教育機能をさらに強化した国際通用性のある獣医学教育により、学生に国際水準のDay One Competencies(大学を卒業した直後の獣医師が備えているべき技能・知識)を付与します。具体的には、動物福祉への配慮と前臨床実習教育強化のため、前臨床実習に用いる模型・各種シミュレーターの導入、および映像教材等の教育コンテンツの作成を進め、スキルスラボの充実を図るとともに、24時間・夜間救急対応を含む総合臨床実習を強化します。また、札幌市円山動物園と連携してエキゾチックアニマル獣医療の教育も強化します。さらに札幌市動物管理センターと連携し、シェルターメディスンの概念を導入・活用して動物福祉・愛護教育を強化します。こうした国際通用性のある教育体制の構築とその強化に関する経験・ノウハウを、日本の獣医学教育評価制度の充実に活用します。


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