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解剖学教室についてABOUT

研究内容RESEARCH

研究内容(自研究室)

自己免疫疾患の脅威

今世紀、自己免疫性疾患と不妊症は人獣共通感染症以上に人類の脅威となるでしょう。すなわち、新興・再興感染症は病原体が生存する戦略として人類をリセットすることは無いのですが、自己免疫疾患ならびに不妊症は、100年後の人類に確実な滅亡をもたらします。その対策のため今こそ基礎研究が必要なのです。
私たちは、自己免疫性疾患の原因を遺伝子レベルで探索し、治療に有効な方法論の開発を目指しています。その過程で、自己免疫疾患モデルマウスにおいて精子減少症の発症や減数分裂中期特異的細胞死、卵巣嚢腫、糸球体腎炎、外分泌腺傷害を見いだし、自己免疫疾患モデルマウスに見られる様々な表現型を形態学と遺伝子解析を中心に研究しています。

発生学研究に残された重要な課題

事故や疾病で失われた体の構造および機能の回復を目的とし、「再生医療」の臨床応用が求められています。臓器移植が現在の再生医療を支えていますが、倫理や移植片拒絶反応の問題などが現在の障壁となります。
これらの課題解決のためには、「自己に由来する細胞から組織・器官を再生する」ことが唯一の方法といえます。再生医療の臨床応用を実現するためには、「目的の組織・器官を作るレシピ」を完成させる必要があります。「細胞が自ら組織・器官を作り上げていく」、その生命の神秘に人類はいかほど近づけたのでしょうか?
この鍵を握るのは発生学研究であり、当研究室では非再生性臓器の発生機構の解明と再生医療への応用を目指して日々研究を進めています。

哺乳類における
性分化機構の解明

哺乳類の体を構成する細胞は、おおきく体細胞と生殖細胞に分けられます。体細胞は、個体の発生とともに様々な組織に分化し、個体の死とともにその役割を終えます。一方、生殖細胞は配偶子である精子や卵に分化するよう運命づけられた細胞であり、次の世代に命をつなぐ働きをもっています。哺乳類の精子は雄の精巣で、卵は雌の卵巣で産生され、それらが受精することで新たな個体が生まれてくるのです。
では、哺乳類の性は、どのように決まるのでしょうか。
哺乳類の性は非常に複雑な過程を経て決定されます。まず、個体の遺伝的な性が、精子のもつ性染色体によって受精時に決まり、通常X染色体をもつ精子が受精すれば雌が、Y染色体をもつ精子が受精すれば雄となります。次に、まず雄にも雌にもなれる性質をもって発達する生殖器の性決定が行われ、最後に脳の性が決まります。本来、これらの過程を経て生まれた哺乳類は決定づけられた一方の性のみの配偶子を産生し、異なる性の配偶子を産生することはありません。
しかしながら、私達はMRL/MpJマウスの雄が、精巣内で卵細胞を産生することを発見しました。
私達はMRL/MpJマウスの精巣内卵細胞が、哺乳類における生殖腺ならびに生殖細胞の性決定・分化機構解明の鍵となると考え、次のような研究を行っています。

慢性腎臓病は制御可能か?

腎泌尿器疾患は産業動物・伴侶動物の疾病中、発生率上位を占めます(http://www.eepet.com/;家畜共済統計)。近年では、高齢化社会を背景に医学・獣医学領域の双方で慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease: CKD)の罹患率が急増し、伴侶動物(特にネコ)はCKDを高率に発症し、主たる死亡要因となっています。
CKD動物は、輸液療法を生涯必要とし、動物・オーナーの負担は計り知れません。CKDは水分吸収・排出を繰り返す哺乳類の宿命であり、動物の腎臓は現在も刻一刻と消耗し続けています。
腎臓の非再生性臓器という性格上、CKDの早期検出・腎臓保護の導入を目指した基礎・臨床研究は医学および獣医学に課せられた使命といえます。

他機関との共同研究

  • 新たな疾患モデル動物としてのコットンラット
  • 慢性腎臓病の病態とマーカー探索
  • 産業動物の粘膜関連リンパ組織やバイオフィルムに関する研究
  • 生体内組織形成術(IBTA)の異種移植への応用

メンバーMEMBER

業績achievement

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