平成29年4月、獣医学研究科から
獣医学院と国際感染症学院へ

はじめに

人、動物、そして環境の健康と健全はひとつにつながる環であり、その実現は持続可能な地球社会に不可欠です。

この環の大きな破壊要因である様々な新興・再興感染症が日々世界を脅かす今、国際社会と連携し、多様な視点から研究にあたる人材、適切な対策を講じることのできる専門家の養成がますます重要な課題になっています。一方、臨床、基礎、環境などの各獣医学領域でも、社会の変容や科学技術の発展、環境破壊に対応して、「人・動物・環境の健康・健全の環」を深化させるために、大学院教育・研究を一層高度化、多様化、専門化させ、それぞれの領域で国際的リーダーシップを発揮できる人材を養成することが国内外社会から希求されています。

こうした課題に応えるため、私たちは、大学院獣医学研究科を平成29年度から獣医学院と国際感染症学院とに改組し、より進化・深化した教育を提供します。国際感染症学院では、学際的・国際的な教育・研究環境のもと、世界30カ国以上の共同研究ネットワークを活用して感染症克服の専門家を育成する大学院教育を実施します。教育と研究指導には、獣医学、医学、薬学、理学、情報科学などを基盤とする人獣共通感染症リサーチセンターの研究者、獣医学研究院の感染症系教室教員、ならびに医学研究院の教員があたります。

一方、獣医学院では、動物生命科学、臨床獣医学、ならびに環境・応用獣医科学の3領域を柱とする動物医科学・獣医療の教育に焦点を置き、世界をリードするに足る教育・研究の高度化・先鋭化と、それに基づく人材養成を行います。新しい仕組みとして「臨床重点トラック」を開設し、専門臨床分野でのリーダー育成を目指します。上記感染症系教室以外の獣医学研究院教員が、その教育と研究指導を担当します。

新しいふたつの学院では、「博士課程教育リーディングプログラム:One Healthに貢献する獣医科学グローバルリーダー育成プログラム(平成23年度~平成29年度)」を継続するとともに、このプログラムを通して培った優れた教育手法と学生支援方策を基に、それぞれが独自の課程を編成して教育にあたります。また、動物医科学・獣医療と感染症は不可分の関係にあることは言うまでもありません。したがって、両学院は基盤教育部分に共通の内容と仕組みを設定して、互いの強みと特徴を効果的に活かす工夫を取り入れます。

獣医学院と国際感染症学院は、人・動物・環境の健康・健全という世界の課題の解決に向けて学ぶ意欲と情熱に満ちた皆さんを歓迎します。