獣医師の先生へ

研修獣医師の生活

北海道大学附属動物病院の研修方式

北大動物病院では臨床経験により選択可能な研修コースが異なります。当病院では臨床経験のない獣医師でも熱意のある方を研修獣医師として歓迎しています。

臨床経験0~2年目

2013-05-10_153516.jpg臨床経験0~2年目の獣医師は半年間のローテーションで内科・外科研修を受けます。最初の研修がどちらの診療科になるかは臨床経験や各科研修獣医師の比率などの事情を考慮して決定されます。
 2年目以降専科研修(通年で同じ診療科)に移行する場合とローテーション研修を続ける場合があり、病院事情により相談に応じます。新卒で専科研修を希望される場合、各科研修獣医師枠に空きがあれば相談に応じることもありますが、通常ローテーション研修を受ける必要があります。基礎的技術・知識の習得のため双方の診察を経験することは大変好評を得ています。

臨床経験3年以上

臨床経験3年目以上の獣医師は最初から内科・外科どちらかの専科研修を受けることができます。ただし、各科研修獣医師に空きがない場合もありますのであらかじめご相談下さい。

さまざまな研修教育支援体制

学術方面の支援

院内セミナー

研修獣医師セミナ―(金曜日7:30~、月3回開催、自由参加)では各診療科担当教員や学内・学外講師により30分程度のセミナーを実施しています。研修獣医師のセミナー発表もあり、自分の診察した症例を復習し、討論をすることができます。⇒過去のセミナー内容
 その他、腫瘍論文セミナー(月曜日7:30~、毎週、自由参加)、腫瘍セミナー(水曜日7:30~、毎週、自由参加)にて米国腫瘍学および放射線腫瘍学専門医の直接教育を受けることができます。

論文データベース・書籍の利用

2013-05-13_211832.jpg北海道大学の有する学術論文データベースが利用可能で、ほとんどの獣医学関連論文と膨大な医学、生化・生理学などの論文が24時間閲覧可能です。また、動物病院および獣医学研究科図書室の所有する書籍を24時間閲覧可能であり、毎年希望書籍を新規購入しています。医局では研修獣医師一人ずつに引き出しつきの机が割り当てられ、個人のパソコンからもインターネット環境が利用できます。パソコンは動物病院から貸し出しも行っています。

技術取得の支援

内科・外科とも担当制で、基本的に初診や手術で関わった症例を継続して診察していく形式です。それぞれの疾患動物の診断・治療・経過を理解することが可能です。また、X線読影や超音波などの一般的なものに加えてCTやMRIなどの先進機器による二次診療施設ならではの画像診断技術も習得可能です。

診察技術の習得

診察のための一般的診療技術、採血、留置などの基本的技術も新卒者には基礎から指導します。細胞診、内視鏡検査、超音波検査など習得に経験と時間を要する技術も実際の症例を交えながらエキスパートの指導を受けられます。超音波検査は内科研修で診療時間外に基礎練習から指導を受けることができます。診察では特に造影超音波検査を用いた腹腔内腫瘤病変の悪性度判定などを行っています。⇒研修獣医師が習得すべき技術目標はこちら

手術技術の習得

2013-05-13_211936.jpg手術のために必要な基礎知識、麻酔管理などさまざまな症例を経験することで実践的教育をうけることができます。実際の手術は各研修獣医師の臨床技術レベルに合わせ、皮膚の縫合からエキスパートの直接指導を受けることができます。個人の技術と手術の内容にもよりますが、教員指導下での執刀医経験も可能です(飼主さんには許可をいただいています)。手術内容は整形外科(前十字靱帯断裂、膝蓋骨脱臼、各種骨折など)、腫瘍(体表腫瘍、肝臓腫瘍、副腎腫瘍など難易度が高いもの)、神経外科(椎間板ヘルニア、環軸亜脱臼、脊髄空洞症など)、一般外科(門脈体循環シャント、動脈管開存症、乳び胸など)が中心です。⇒研修獣医師が習得すべき技術目標はこちら

研修獣医師の生活

北大動物医療センターは午前9時から診察開始となります。内科の診察の場合は月曜から金曜まで毎日、外科は月、水、金曜が診察日です。火、木曜は手術日のため8時半から手術のミーティングをします。
 診察の受け付けはいずれの診療科も基本的に午前中までですが、外来症例の検査や処置は午後まで続くことがほとんどです。外科では手術日に10件以上手術が入る場合がありますので、手術は夕方過ぎまでかかる(まれに夜まで)こともあります。
 診察終了後は各科症例検討を行います。翌日の初診症例や手術症例の予習も夕方以降の空いている時間で行います。
 また、夜9時から当直制度があります。当直は基本的に1人で行いますが、入院症例の重症度や症例数により2人態勢になる場合もあります。当直用に個室式ベッドが2つ配置されていますので、仮眠をとることができます。翌日は、診察の予約状況によって、全休または午後から半休となります。当直は当番制で2週間に1回程度となり、病院から手当が支給されます。
 休日は暦通りですが、それ以外に学会休診などがあります。休診日は休日にはなりませんが、有給休暇(年間10日間)や夏季休暇(3日間)などを休診に合わせて申請し、連休とすることも可能です。

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  • 現在、北大動物医療センターには15人の常勤研修獣医師(内科診療科 8人、外科診療科 7人)および2名の非常勤獣医師が在籍しております。

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給料と実生活

d0206050_1003649.jpg現在札幌市を中心とする札幌経済圏の総人口は約230万人と、十分な症例数を確保する立地条件を備えていながら、広大で自然が多いのが大きな魅力です。家賃や物価など、生活費が高い地域ではありませんので、研修医とはいっても贅沢をしなければ生活に十分な程度の額が支給されます。給料は臨床経験などから算定されますので、年数により変動します。また、当直の手当や休日の日数により一か月の給料が変動します。各種保険、通勤手当が支給されます。条件により給料は変動しますので具体的な金額はお問い合わせください。なお、年一回健康診断を無料で受診することができます。
 道外から応募される方には特に冬期間の厳しい寒さや降雪による不便に対する不安もあることと思いますが、一方で複数ある獣医大学の中でも札幌の中心街のすぐそばという立地、美味しいものがたくさんあるという点は大きな魅力です。また、緑あふれるキャンパス自体も非常に広く、四季の移ろいを感じることができます。北海道の雄大な自然に囲まれた環境で、のびのびと一緒に勉強しませんか?また、本院では研修獣医師希望者の見学も歓迎しています。見学希望の方はご一報ください。
⇒見学希望の方は病院長(滝口)まで mtaki■vetmed.hokudai.ac.jp (■を@に換えて送信してください)

症例数と手術件数

2012年度ののべ診察件数は小動物のみで10,945件と全国でもトップクラスに入ります。年間手術件数は約700件であり、臨床研修に十分な症例数を確保できます。手術では特に整形外科疾患と腫瘍疾患の症例が多くなっています。手術の紹介症例は難易度が高いものが中心となりますが、一般的な手術症例も研修のための貴重な症例として受け入れています。

研修医の声

1年目研修医(26歳女性)

私は一般開業で10か月間勤務した後、北大での研修を始めました。ほぼ臨床経験ゼロの状態での研修でしたが外科では研修開始すぐに手術の助手を経験させてもらい、その後も縫合など基本的手技を経験させてもらいました。研修獣医師Cast・Spayでは実際に指導下で執刀もさせてもらいました。診察では、腫瘍など最初は全くわかりませんでしたが、症例を通してたくさんの勉強をさせていただき、また、早朝セミナーでも腫瘍学についていろいろと教えていただいて、半年でも1年分ぐらいの勉強ができたと思います。内科では、症例を通してたくさんの勉強をさせていただくのはもちろんですが、食欲がない、元気がないなどの不特定な症状からいかに診断していくかの訓練をさせてもらっています。また、超音波検査を練習するだけではなく、教員の先生の指導のもと実際の診察でもどんどんできるのも大きな魅力ではないかと思います。学会発表や雑誌への投稿も希望があれば1年目からでもどんどん出来るのも魅力の一つだと思います。
 最後に、私が研修獣医師になるときに一番ネックだった収入の問題ですが、たしかに本州の開業医で勤めていた頃よりは収入はかなり減りましたが、札幌で一人暮らしをしていても意外と生きていけるということに最近気付きました。なので、北大での研修は収入が減ってしまうリスク以上の貴重な経験がたくさん出来るものだと私は思います。

内科専科2年目研修医(34歳男性)

一般には「大学病院」では難病を取り扱い、簡単な病気は診ないというイメージや、学んだことが一次診療で活かせるのか?といった心配があるかもしれません。大学病院ならではの設備や症例といった貴重な大変ができるのは当然ですが、大学で学び直すことの大きなメリットとしては、何より徹底的に症例と向き合うことができる環境が十分に整っていることだと思います。是非大学で研修し、決して大学が狭い世界ではないということを知ってもらいたいと思います。

外科専科1年目研修医(28歳男性)

今年の春より研修獣医師として北大動物病院に勤めています。現在は臨床経験4年目、将来は開業を考えています。北大の研修獣医師になろうとしたのは本州の開業医での3年間の臨床経験の中で自身で開業する前に一度は二次診療施設の現場を知り、働く必要性があると強く感じたことにあります。きっかけとしては他院で肺炎と診断された症例を精査目的で大学病院に紹介し、拡張型心筋症と診断されたことでした。動物病院は人間の病院に比べて機器が少ない中、さまざまなジャンルにおいてその場で判断して治療を進めていかなければなりません。実際は知識・経験ともに十分に必要であり、曖昧な診療では曖昧な治療しか出来ません。自分は十分な経験を積み、開業につなげていこうと思っています。
 自分の場合、将来地元での開業をする際には周囲に大学のような二次診療施設がないために診断・治療が困難な症例に対して回避することは出来ません。当然ですが自分が見たことがない病気は診断できず、治療も出来ない。飼主の期待に技術的にこたえるためには二次診療で行われている診断・治療を知っていなければならない。
 そのために、今後も大学で研修している間に椎間板ヘルニアや前十字靱帯断裂・膝蓋骨内方脱臼・骨折などの整形外科疾患の診断および治療、軟部外科、腫瘍疾患に対する診断・治療。心エコー検査など幅広く学ぶべきものが多いと考えています。切磋琢磨しながら日々学んでいます。

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北海道大学 動物医療センター

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TEL:011-706-5239
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