“総合腫瘍科”とは、悪性腫瘍の診断と治療に特化した診療科です。いわゆる“がん”を含め、がんと紛らわしい病気と本物のがんの鑑別、適切な治療方針の提案、および外科・放射線治療などの実際の治療を担当します。近年、動物のがん治療は高度化が進んでおり、同じ病気でも手術・放射線治療・カテーテル治療・分子標的治療・免疫療法など、さまざまな治療の選択肢があります。総合腫瘍科では、あえて「腫瘍外科」・「腫瘍内科」などのように診療科を分けずに、腫瘍内科医、外科医、放射線腫瘍科医が一つのチームとなって腫瘍の診断と治療を行っています。個々の動物の病気の性質および進行度を正確に見極め、ご家族のご希望に沿ったベストな治療法を提案するために、同一チームで診断から治療までを担当させていただいております。また、動物医療ではまだ一般的ではない先端医療(高精度放射線治療、造血幹細胞移植、免疫チェックポイント阻害療法など)に積極的に取り組んでいるのも当診療科の特徴です。
診察のながれ
総合腫瘍科でのはじめて診察を受けていただく際のおおまかな流れは以下のようになります:
9:30-10:30
ご予約の時間にアナウンスで診察室へご案内いたします。診察室では、ホームドクターでのこれまでの治療経過などを質問させていただきます。この段階では担当の勤務獣医師や研修獣医師がお話を聞かせていただきます。
10:30-15:00
ワンちゃん/猫ちゃんをお預かりして、レントゲン検査やエコー検査などの診断をさせていただきます。通常は麻酔のいらない検査から開始して、必要に応じてCT検査やMRI検査などの全身麻酔下での検査に進んでいきます。麻酔を伴う検査の前には必ず飼い主様に確認いたしますので、ご安心ください。この日中の検査中は飼い主様には院内でお待ちいただく必要はありませんので、外出していただいても構いません。また、詳しい検査に進む前に担当医(教員)と相談を希望する場合にはご遠慮なくお申し出ください。その場合には最低限の検査のみを行ってからご相談させていただきますので、その間は待合室でお待ちください。
15:00-18:00
検査がおわった子たちから順に飼い主様をお呼びして、担当医(教員)から検査結果を説明させていただきます。通常は初診日当日に診断がつき治療方針のご相談となりますが、病状によっては生検など検査に数日を要する検査をしなくてはならない場合もあります。その場合は、診断結果と治療方針のご相談は後日させていただくこともございます。